ALC住宅を長期間汚れから守るための外壁塗装方法:千葉市中央区末広
千葉市中央区末広のA様邸でALCの外壁をSK化研のクリーンマイルドフッ素、屋根をアステックペイントのスーパーシャネツサーモFで塗装を行いました。
施工前の写真ですが、ALCパネルを使用した住宅で2色で色分けをしています。
ALCとは「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」の事で、耐火性・防火性に優れた外壁材ですが、通常A様邸のようにリシンの吹き付けや左官で仕上げを行うため、比較的早い段階で表面の凸凹に汚れや藻が付着して目立ちやすいのが欠点でもあります。
もちろんリフォーム時に同じように吹き付けや左官を行う事もできますが、凸凹をある程度埋めて塗装をした方が美観を永く保たせることができるのです。
モルタル壁に比べてALCパネル自体はクラック(ひび割れ)の発生が非常に少ないのですが、目地部分はどうしても建物の揺れや紫外線などによりひび割れや劣化しやすいので、塗装前にしっかりと処理をします。
高圧洗浄機できれいに洗浄した後、縦・横・サッシ廻りの目地のシーリング処理を行います。
次は下塗りです。下塗り材には水性ソフトサーフSGを使用しました。
水性ソフトサーフSGは微弾性があり防水性を発揮できるほか、主材の塗料が水性・溶剤どちらでも優れた密着性を維持し耐久性の高い保護層を形成できます。
下塗りが終わって充分に乾いた後、中塗り・上塗りとクリーンマイルドフッ素を塗っていきます。
クリーンマイルドフッ素は15年~20年と耐候性が非常に高く、汚れやカビなどが非常につきにくい塗料の一つです。
クリーンマイルドフッ素は、含まれているセラミック成分が乾燥過程で表面に配列されることにより、静電気が起こりにくく、塵や菌類などの汚染物質の付着を防げる機能を持っています。
さらに塗膜表面の親水化(水になじみやすい)効果で、付着してしまった汚染物質は雨水と一緒に流れ落とす機能も持っています。
次は屋根塗装の説明をします。
高圧洗浄機できれいに汚れを洗い流した後、カラーベストの屋根には必ずタスペーサーを入れていきます。
タスペーサーとは雨漏り防止のための部材で、重なり合った瓦の間に入れて隙間を作ります。
この隙間がないと雨が降った時に水の出口が塞がっているため、瓦どうしの重なった部分に毛細管現象(水が上に移動する現象)が起こり、屋根裏への雨漏りの原因になります。
タスペーサーは瓦1枚に対して左右に1枚ずつ入れていきます。
タスペーサーを入れ終わったら下塗りでシーラーを塗っていきます。
シーラーとは「下地との接着を持たせる」という意味で、主材が下地に吸い込まれるのを防ぐ働きがあります。
今回使用する主材が遮熱性の機能がありますが、下塗りで使用するサーモテックシーラーも赤外線を反射させる機能を備えていますので、主材と併用して高い遮熱効果を発揮します。
中塗りの写真です。
ローラーで塗装する前に刷毛でだめ込を行っています。
主材で使用するスーパーシャネツサーモFは温度上昇の原因となる赤外線を効果的に反射させ、蓄熱を防ぎます。
夏場の暑い時期で屋根の表面温度が10℃~15℃程度下がるので、それに伴い屋根裏・2Fの部屋に伝わる熱も下がります。また蓄熱を防ぐ効果は塗膜自体だけでなく、屋根も傷みにくくします。
もちろん遮熱機能だけではありません。
屋根の変色は有機顔料が破壊されることにより起こりますが、スーパーシャネツサーモシリーズは95.6%以上が無機顔料のため非常に色あせしにくい塗料と言えます。
さらに塗膜表面をシールド層で覆うことにより劣化因子「ラジカル」の発生を抑制するので、促進耐候性試験において5000時間(20年相当)をクリアした超耐候性塗料になります。
こちらが施工後の写真になります。
施主様のご意向で配色は既存より少しだけ濃いめに仕上げました。
今回外壁で使用した色はSR-113(薄)とSR-404(濃)、屋根はキャビアブラウンになります。
ALCの住宅は施工性・耐久性・意匠性等の理由により近年増えていますが、必ずメンテナンスが必要な外壁材になりますので、築10年を目安に一度塗装を考えてみてはいかがでしょうか?