ALC住宅をアステックペイントで塗装しました:千葉市中央区末広
千葉市中央区末広のT様邸でALCの外壁をアステックペイントのEC-5000PCM-IR、屋根をスーパーシャネツサーモFで塗装を行いました。アステックペイントの塗料はメーカーが行う技術講習会を受講して認定書を取得しなければならないため、塗装業者ならどこでも扱っているわけではありません。これから工事工程と共に塗料の説明をしていきます。
こちらが既存のT様邸になります。ALCパネルを使用した住宅で4色で色分けをしています。ALCとは「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」の事で、耐火性・防火性に優れた外壁材ですが、通常T様邸のようにリシンの吹き付けや左官で仕上げを行うため、比較的早い段階で表面の凸凹に汚れや藻が付着して目立ってしまいます。もちろんリフォーム時に同じように吹き付けや左官を行う事もできますが、凸凹の部分をある程度埋めて塗装をした方が美観を永く保たせることができるのです。
ALCの外壁の塗装では高圧洗浄機できれいに洗浄した後、縦・横・サッシ廻りの目地のシーリング処理を行います。モルタル壁に比べてALCパネル自体はクラック(ひび割れ)の発生が非常に少ないのですが、目地部分はどうしても建物の揺れや紫外線などによりひび割れや劣化しやすいので、塗装前にしっかりと処理をします。
次は下塗りです。下塗り材にはエピテックフィラーAEを使用しました。フィラーとは「埋めるもの・詰め物」という意味で、吹き付けリシンなどの下地の隙間を埋めて調整し塗り残しを防ぎます。
下塗りが終わって充分に乾いた後、中塗りで色のついた塗料を塗っていきます。一見他の塗料と同じに見えますが、EC-5000PCM-IRはいくつかの特徴があります。一つ目は600%の伸縮率があるので目地や外壁にひび割れが起きてしまった場合でも塗膜がひびに追随し、雨など外部からの水の侵入を防ぎます。また可塑(かそ)剤を使用していないので長期に渡って弾力を保持します。ちなみに可塑剤とは物を柔らかくする添加剤の事で、よく輪ゴムに例えられますが、陽に当たると気化して弾力性を失います。
2つ目は遮熱性があることです。塗膜が太陽熱を反射・放射するので、特に夏場は表面温度が最大で20℃も下がります。もちろん窓からの日射はそのままですが、一般住宅の窓面積比は2割程度なので夏季は間違いなく体感して頂けると思います。最後はフッ素樹脂と同等の耐候年数であることです。EC-5000PCM-IRに使用されている成分はピュアアクリル樹脂で、分子量が大きいため紫外線による破壊ポイントが少ないので、劣化の起こりにくい塗料とも言えます。
玄関廻りは家のアクセントとして特別にアステックペイントのグラナートSPを使用しました。意匠性に優れた多彩色塗料で、下塗りにフィラーを使用し、中塗りには色のベースとなるグラナートミドルコートを塗布していきます。最後の上塗りの段階で石調風のシリコンチップが含まれたクリヤー塗料を吹き付けて完成です。
天然石を思わせるような仕上がりになりますが、骨材を混合した厚付の塗材と比較して、面積当たりの重量がとても軽量なので建物の負担が少ないのが特徴です。また樹脂にはアクリルシリコンを使用してますので、長期にわたり家を劣化から守ります。
次は屋根塗装の説明をします。高圧洗浄機できれいに汚れを洗い流した後、カラーベストの屋根には必ずタスペーサーを入れていきます。タスペーサーは雨漏り防止のための部材で、重なり合った瓦の間に入れていき隙間を作ります。この隙間がないと雨が降った時に水の出口が塞がっているため、毛細管現象(水が上に移動する現象)を起こし屋根裏への雨漏りの原因になります。
タスペーサーは瓦1枚に対して左右に1枚ずつ入れていきます。
タスペーサーを入れ終わったら下塗りでシーラーを塗っていきます。シーラーとは「下地との接着を持たせる」という意味で、主材が下地に吸い込まれるのを防ぐ働きがあります。今回使用する主材が遮熱性の機能がありますが、下塗りで使用するサーモテックシーラーも赤外線を反射させる機能を備えていますので、主材と併用して高い遮熱効果を発揮します。
中塗りの写真です。主材で使用するスーパーシャネツサーモFは温度上昇の原因となる赤外線を効果的に反射させ、蓄熱を防ぎます。夏場の暑い時期で屋根の表面温度が10℃~15℃程度下がるので、それに伴い屋根裏・2Fの部屋に伝わる熱も下がります。また蓄熱を防ぐ効果は塗膜自体だけでなく、屋根も傷みにくくします。
もちろん遮熱機能だけではありません。屋根の変色は有機顔料が破壊されることにより起こりますが、スーパーシャネツサーモシリーズは95.6%以上が無機顔料のため非常に色あせしにくい塗料と言えます。さらに塗膜表面をシールド層で覆うことにより劣化因子「ラジカル」の発生を抑制するので、促進耐候性試験において5000時間(20年相当)をクリアした超耐候性塗料になります。
外壁で使った色は数が多ければ多いほど難しいのですが、T様のセンスも素晴らしくとても清潔感のある仕上がりになりました。今回選ばれた色は濃い方から順番にクエリー・カラーボンドメリーノ・ペールビスケット(EC-5000PCM-IR) 玄関周りはボーキサイト(グラナートSP) 屋根はキャビアブラウン(スーパーシャネツサーモF)になります。屋根・壁どちらも15年以上の耐候性があり、外壁に関しては次回の塗装で同じアステックペイントのピュアアクリルを選べば作業工程も減らせて工事代もかなりお得になります。特に目地が多いALCの住宅では絶大な効果を発揮することでしょう。アステックペイントについて詳しく知りたい方は気軽にご相談下さい。