窯業系サイディングボードの改修と屋根の4回塗装について
今回は外壁:窯業系サイディングボード、屋根:コロニアルの改修施工のご紹介です。
施主様のご意向で10年程持つ外壁塗装施工をご希望でしたので、今回はSK化研の弾性クリーンマイルドシリコンにての塗装になりました。屋根も外壁面と同様にSK化研のヤネフレッシュSi(シリコン)での塗装になります。
ベランダ外側部分のサイディングボードは塗装では無く、張替工事になりましたので、そちらも併せて紹介していきたいと思います。
こちらがベランダ外壁面になります。
築22年ということと、一度も塗装をしていないこともあり、防水効果は完全に切れている状態でした。
幸いにも雨漏りはありませんでしたが、コーキングなどの劣化などが原因でボード自体がグズグズになっていたのと、内部にも痛みが伝わっている可能性があったので、張り替えをお勧めいたしました。
コーキング部分の拡大写真になります。
コーキングの経年劣化の他に、浸水のためにサイディングボードがふやけた状態になり、そこに太陽熱が加わり外壁がひび割れを起こしています。
他にもコーキング部分などにも苔や藻がでている箇所が目立っていました。
こちらはサイディングボードを外した状態。
傷んだサイディングボードを取り外すと、下地の上に防水シートが見えます。防水シートがカビにより黒ずんでいるのがわかると思います。
新しい透湿防水シートを貼り直しました。
防水シートが破れていたら浸水などにより構造体(柱など)に痛みが伝わり、より大きい工事になってしまう可能性がありました。
今回は水も回っていなく構造体もしっかりしていたので、防水シートを貼り直しこのまま新しいサイディングボードを取り付けていきます。
※ 透湿防水シート:
外の水分(雨)は弾いて、壁面内の湿気は外に出す、壁材の下に敷くシートの事で、家屋の劣化を抑える役目があります。
笠木手すりの基部にコーキング処理をしていきます。
もともとこの部分にはコーキング処理がされていなく浸水などに繋がりやすい箇所なので、壁との取り合いを含めてしっかりとコーキング処理をしていきます。
※ 笠木:手すりの最上部の鉄板でできた部材
※ 取り合い:てすりの取付柱と笠木の付け根の継ぎ目
こちらが工事完了後の写真になります。
サイディングメーカーで調べたところ同じようなデザインのサイディングがまだありましたので、今回は部分張り替えをご提案させて頂きました。
張替え後に他の外壁と同様に塗装をする事により、張替え箇所も目立たず綺麗に仕上がりました。
施工前の屋根です。築22年手入れをされていなっかったこともあり痛みがだいぶ進んでいるのがわかると思います。
本来は3回塗装になりますが、今回は4回の塗装になりました。
劣化が激しい時などは塗料の吸い込みが激しく、下塗り1回だけでは収まらないことがあります。
塗った塗料が下の部材に吸い込まれ、思った通りの仕上がりにならず、色ムラが出来る状態などのことを言います。
今回の工事で一番変わった(綺麗になった)のがこの屋根です。
綺麗に仕上がった要因として挙げられるのは4回塗装にしたことに尽きると思います。
今回ほどの劣化状態で通常の3回塗装で仕上げていたら、主剤(出来上がり色)の中塗りと上塗り分の吸い込みが収まらす、仕上がりにムラが出てしまっていたでしょう。
施工前の全体写真です。
サイディングボードの腐食の他に、ボード同士の継ぎ目、生命線とも言えるシーリングの劣化など、全体的に色褪せも目立っていました。
工事完了後の写真になります。
色は奥さんがメインに決めて頂くことになり、外壁面は1階2階共にクリーム系に統一し、附帯物は色の濃い茶系統に統一しました。
屋根を含めて3色にまとめたので、全体的にバランスがとれ綺麗に仕上がりました。
サイディングボードの塗り替え、張り替えについて紹介していきました。
サイディングボードを雨や紫外線などから守っているのが表面の薄い塗料の膜なのですが、窯業系サイディングだとおよそ5年~7年で一番表面の防水層が劣化していきます。
サイディングボードの基材自体は水を吸ってしまう特性もあるので、それが元で大きな劣化に繋がる恐れもあります。
お客様に「家を塗り替えたい」と相談されるころには、手遅れ(一部の張り替えが必要な状態)の家も珍しくありません。そのため10年目くらいを目処に、外壁の塗り替えが必要になってくるのです。
ご自宅のサイディング壁面が塗り替えで済むのか、張り替えをしなくてはいけない状態なのか、悩んでいる方がいたら是非当社までご連絡ください。