千葉県茂原市漆喰工事 ~見落としがちな瓦屋根の傷んだ漆喰補修~
和瓦屋根の漆喰補修工事を行いました。皆様、屋根の改修(補修)と聞くと塗装をしたり、葺き替えたりなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?ただ、和瓦は棟瓦にある漆喰を補修しなければならないのです。そんな漆喰なんですが、瓦と瓦の隙間を埋めている漆喰が剥がれたり、崩れたりすると、その部分から雨水が浸入します。 また、瓦を固定している力が弱くなっていますので、ちょっとした風や地震でも瓦がズレたり、落下したりする危険性が高まります。 いびつな形のコンクリート片のようなものをベランダや庭先で見つけたら、剥がれた漆喰である可能性が高いです。ちなみに今回、施工させて頂くお宅でもコンクリート片が落ちていた為、ご主人が梯子で覗いてみたら次の写真のようになっていました。
既存の漆喰が硬化し、割れてなくなっている状態です。白い色の漆喰が経年劣化によりグレーになってきています。現状、完全に落ちてきてはいませんが、指で軽く触れるとボロボロと崩れ落ちてきました。落ちてきた状態は、次の写真になります。
こちらは、棟先の箇所になるのですが、完全に取れてしまい土が見えている状態です。この土が、雨などで流れてしまうと棟瓦の強度がなくなってしまい、地震の少しの揺れやひどい場合ですと自重で倒れてしまう事もあります。そして、そういったことにならない様にするのが漆喰です。
それでは、漆喰となんぞやというところになるのですが、お城の外壁に塗られている白い壁材が、しっくい(漆喰)です。消石灰を主原料とし、これにフノリ・ツノマタなどの膠着(こうちゃく)剤、ひび割れを防ぐため麻やすさと呼ばれる藁の一種などの繊維質を加えて、水で練り上げた塗り壁の材料です。ただし、上記のままですと真っ白いお城の壁に使われるようになります。有名なところですと最近、改修工事が終わった姫路城なんかが有名で、白鷺城なんて呼ばれるくらいの白さです。ちなみに今回は、強度と作業性の良さを出すため川砂を入れ、瓦屋根がグレーなので灰と墨を入れて黒漆喰での施工になりました。
黒漆喰を施工している途中の写真になります。写真の手前の箇所がちょうど黒漆喰を塗ったばかりになります。かなり黒い為、屋根が暗くなるんではないかという心配なところも出てくると思いますが、実際乾いてくるとグレーになっていきます。
こちらが、施工してしばらく経った写真になります。乾いて黒い色が抜けグレーになってきました。この状態になれば、完成です。これで、土も出てくることはなく、倒壊の確率も低くなりました。和瓦は塗装をすることは、ありませんが棟瓦の漆喰工事をしなければ大工事になることもありますので、瓦屋根のお宅にお住いの方は、気にかけてあげてください。 >