新築時の施工不良でベランダが水漏れしていたのを緊急補修→修理完了
今回ご紹介するのは、現調の際に新築時の施工業者のベランダ防水工事の施工不良箇所が発覚し・・・という工事内容をアップします。
当然ながら一般の方は知識があまりない中での見積依頼ですので僕らは現地でしっかりで現状を把握・施主様にご報告する必要があります。施主様はあまり気にされていませんでしたが、今回の問題はベランダのFRP防水部分でした。
※FRPは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などの強化材(補強材)で補強されたプラスチック、という意味です。
ちなみに下の写真は雨が降った翌日の現調時の様子です。
現地調査 → 水漏れ応急修理まで
雨が降ったのは前日。
なのに水がたまっています。
水勾配が緩いのか・・・
ベランダ笠木に付いている手摺の根元付近です。
水が溜まっています。
水が溜まっていた排水部分の真下ではカビが発生しています・・・
恐らく内部は漏っています。
ちょっと嫌な予感がしたので、集水桝を外して下地の具合を確認してみようとしましたが、通常は回転させると外せるのですが何故かボンドでがっちり固定してあったので外れません。この時点で何か怪しさを感じます。
集水桝に横から少し衝撃を与えてみたら「スポンッ!」と変な音がなって、「あれ?」と思いベランダに戻ってみると下の写真のような状態です・・・
まさかの排水ドレンが浮上がって外れてしまいました、と言うより固定されていません。
そもそも防水とがドレンと絡んでいない状態です。こんなんでは雨水がダダ流れです。
周囲の床もフカフカしています。
(下地が腐っているサイン)
廻りを綺麗に掃除してみると、防水面の穴よりドレンのキャップの方が小さいんです!今まで乗っかっていたのが奇跡です。
残念ながら乗っかっていただけなので雨水は流れ込み、当然下地の板は腐食してました。
おそらく防水工事が完了後にこの辺りに水が溜まるので、ここの排水を後で取付けたものと思われます。その際、前の施工業者が開口寸法を間違えてしまい、どうにも出来なくなりコーキング等で抑え込んでまさかの工事終了にしてしまったのではないかなと。
私もこの業界に17年程いますが初めてみる納め方でびっくりしました。
とはいえ、このまま放置すると雨漏れが進行するので、現調当日ですが持っている材料で応急処置を行います。これを何とかするのが僕の仕事なので何とかしていきます。
周囲に雑巾で水が来ないように塞き止めてからドレン周辺を掃除します。
大きく空いた穴を小さくする為にアルミテープを貼ります。
水が入らないように捨てコーキングをたっぷり充填。
ゆっくり排水管ごと挿入。
さらに上にコーキングを盛ります。
これで内側に水はまわりません。
本修理 → ベランダ防水完成まで
後日、外壁・屋根塗装工事を先行で行ってから防水工事へと移ります。
防水工事を先にと思われるかもしれませんが、塗装を後にするとしっかり養生しても綺麗に仕上げた防水面が汚れる恐れもあります。
しばらくの間であれば応急処置をしっかり行っているので、水漏れに関しては全く問題ありません。
まず、真下の天井部分の修復。
腐食した下地板、ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)を補修・張り替えを行います。
外壁の塗装と併せて防カビ材を塗布しておきます。
フカフカしているFRP防水層を撤去します。この際、床だけでなく立上り部分も腐食箇所は撤去となります。
当然ながら外壁塗装施工時に各所シーリング処理は念入りに行います。
床組とコンパネ下地を補強・張りなおします。
既存のコンパネ下地は12mmの二重張りでしたが、勾配が緩く水が溜まりやすいので9mmの二重張りで納めます。
こうすると6mm分周囲より下がるので「水はけ力」がアップします。
下地造作が終わったら防水工事となります。
入隅(角)に面木というものをいれます。
新たに縦ドレンを設置します。
前回施工同様の穴の開け間違えに注意です。
この際水が流れ込みやすいようにするために
若干彫り込みます。
FRPで防水層を形成します。
この後、仕上げの塗装をして施工完了です。
施工後
色褪せとともに問題を抱えていたベランダでしたが・・・
写真を見ると補修箇所が一段下がっているのが分かると思います。今まで高かった部分を低くして排水改善としました。
排水ドレン周辺も下地からしっかり修復、全体も綺麗に仕上がりました。
手摺の根元も怪しかったのでシーリングを施しました。
防水の施工不良をご説明した所、「そう言えばリビングにいる時、雨の音が近くに感じていた」とおっしゃってました。
若干の違和感は感じていてもそれが普通と思っていたみたいです。
今回のパターンはその場でしっかり調査&応急処置が出来たのが良かった点ですね。
弊社の現調担当者はそこそこの装備車でお伺いしますので、その場での急な対応も可能なのも強みかと思います。
お問い合わせどしどしお待ちしております。