傷ついたサイディングボードの修理(補修)跡が目立たない目地残し施工
現在の外壁のサイディング柄模様をそのまま残すために、透明タイプの外壁塗装材料であるアステック無機ハイブリットクリヤーを使用しました。
透明の塗装塗膜を新たに作ることによって、太陽からの紫外線による外壁の傷みを守り、その塗膜は雨によるサイディングの劣化からも強力に保護してくれます。
また今回選んだ塗料は、普通タイプの材料よりも長い耐久性を持ち、費用対効果も高い材料となります。
仕上がりは光沢艶有りのものと、ツヤをおさえた3分艶の2種類のタイプがあります。
今回は艶有りタイプで施工しています。
ちなみに今回一番のポイントは、外壁にあった傷の補修施工が非常によく仕上がったので、その部分を中心に解説していきたいと思います。
外壁に傷ができた箇所をお客様が市販のコーキング材で補修されています。
このままクリア材を塗ってしまうと当然のことながらこの補修箇所はそのまま残ります。
一時的な補修としてはこの状態でも構わないでしょうが、外壁全体をきれいにしていく上でそのまま残す訳にはいきません。ここはプロの技術でしっかりと直していきます。
まずはサイディングに傷をつけないよう、気を付けながらカッターを使って表面の部分を削っていきます。
(写真は削り終わった後の状態)
コーキング材は弾力性があり、カッターだけでは取りきれないため、シンナーを使いながら表面の状態を整えていきます。
下地処理が最後の仕上がりに影響を及ぼすので、この作業だけは時間をかけてしっかりとやっていきます。
削って整えた表面をパテで処理します。
削って出てきた傷が、幅や長さなど傷の形が様々なために、パテで表面状態に均一性を持たせていきます。
そしてこの後はしばらく乾燥になります。
乾燥して固まったパテを削っていきます。
ここでもしっかりと表面の状態を整えていかないと、後々の仕上がりに影響しますので丁寧に時間をかけて仕上げていきます。
ここでサイディングボードの目地残し施工について、簡単な図で説明します。
目地残し施工は大きく分けて3段階の工程で完了になります。
具体的な作業工程は写真にて説明します。
まずは最初の塗装を施していきます。
このサイディングは元々が多彩色のため、まず目地色のグレーを先に塗っていきます。
外壁の目地以外の部分に、ベースの色を1回塗った後です。
今回のこだわりポイントの一つとなりますが、ベース色をもう一度塗りなおしてます。
ひとつ前の色に赤味と黄色を調整してベース色をさらに近づけていきます。
この段階で前段階よりもかなり馴染みがよくなってきています。
最終段階なので細かく着色していきます。
サイディングにあわせて調色した色を数色作ってバランスを見ながら塗っています。
施工後の遠目からの仕上がりです。
サイディングを張り替えたのと同じくらいに馴染んだ仕上がりになっているため、この写真だと何処が壊れていたのかがわからないです。
外壁 無機ハイブリットクリヤー(艶有り)屋根 無機ハイブリットコートJY‐IR
今回仕上がりを見ていただいた時の施主様の第一声は「どこが傷だったかわからない」でした。実際、道路から見たら全くわかりません。
職人さんがここまでの仕上がりにしようという気持ちがないと出来ないレベルの仕上がりでした。僕自身あの破損具合から、こんなに綺麗に仕上がるとは想像していなかったので、ここまでやってくれた職人さんには本当に感謝です。